最近の税務関係誌は役員給与(報酬)関連の記事が多いです。役員給与の改正が企業にもたらす影響が大きいことの表れでもあり、特に中小企業にとって特殊支配同族会社関係の改正は、その影響(増税)が大きく税理士の研修会でも話題になっています。
「特殊支配同族会社の役員給与の損金不算入」制度の概要は、@業務主宰役員
グループの持株割合等が90%以上で、かつA常務に従事する役員に対する業務
主宰役員グループ役員の数が50%超の同族会社は特殊支配同族会社とされ、業務主宰役員(1人)の給与額の給与所得控除額分が損金不算入となる、というものです。
しかし、基準所得金額が、@800万円以下、あるいは A800万円超3,000万円以下で、一定の条件の下では、適用が除外されます。基準所得金額の計算の趣旨は、業務主宰役員給与が支給されなかった場合における所得金額はいくらかを求めるというものです。業務主宰役員がいなかったら企業が成り立つのかと素朴な疑問もありますが、この計算がすこし面倒なため、給与がいくらだから御社は該当しますとすぐに答えられないのがもどかしさがあります。
ある税務雑誌の試算によると、基準期間の業務主宰役員給与の平均額が1,500万円超であれば、所得金額がいくらであっても、給与所得控除額分が損金不算入となり、また同平均額が400万円を超えると、損金不算入となる可能性が高まって、当期の税負担が増すことになりそうだ、としています。この改正は18年4月以降開始事業年度から適用され、特殊支配同族会社の判定時期は年度末です。
すでにいろいろな対応策(?)が囁かれています。
T 90%未満にするため株式を譲渡してしまう。
留意 @ 経済的合理性・正当性から見てみなし規定に抵触しないか。
A 議決権株式が第3者へ移転することの将来の不安。
U 役員総数の割合を変える。
@ 「常務に従事する役員」は実質的な経営従事形態で判断される。
V 業務主宰役員の給与を下げる。
@ 給与の減額も可能だが、法人所得が増え税の減少は期待薄。
A 他の役員より主宰役員のほうが低額の妥当性はあるか。
W 役員給与を下げ、家賃等の支払を増やす。
@ 合理的な理由があるか。 などなど
いずれにしても税制改正後まもなく取り扱い解釈も定まっていないような状況なので、対応は慎重にしていくことが肝要です。
株主総会時に役員給与を期首に遡っての増額改訂ができなくなります。
今年の税制改正(定期同額給与)とあわせ、現行の(一括支給分の損金算入を特例的に認めて来た)法人税法通達が廃止される予定です。
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